中古車を買う時に一番気になる点は「粗悪品をつかんでしまわないか」この一点につきます。
大きな買い物になりますので、失敗はしたくありません。
中古車はどのように扱われていたのかわかりにくい上に、車の状態の良し悪しの判別は簡単にはできません。長く使うものですので安全に乗りたい気持ちは尽きません。
そこで、初めて中古車を買う人でも安全に中古車を購入できるポイントをまとめました。
失敗しない中古車選びを身につけ、お得に中古車を購入しましょう。
安全な中古車を選ぶポイントは4つ
安全な中古車を買うポイントは4つあります。
- 走行距離
- 年式
- 修理内容
- 修復歴
以上4点を抑えることで失敗しない中古車選びができます。
それぞれの抑えておくべきポイントをまとめましたので是非参考にしてください。
安全に走れる走行距離と年式を知っておく
よく中古車選びをする際に、年式と同じくらい確認が必要だといわれているのが走行距離です。
「車の寿命は10年と10万キロ」という言葉を聞いた方もいるのではないでしょうか。
確かに10万キロが車の限界であった時代もありますが、技術の発展により現在では40万キロまで走行しても問題はないとされています。
もちろん、どの車も40年までは安全に走れるという絶対の保障ではありませんが、10~20万キロ程度であれば支障ありません。
一般的な車は、1年間の走行距離は8,000~1万キロとされており、この距離の範囲内で使用されていた中古車は安全といえます。
車は長い間乗られずに車庫駐車や青空駐車をされていた場合、見た目以上に内部が消耗している場合が多く、特に消耗品の痛みは絶望的に進んでしまっている可能性があります。
走行距離と年式で失敗する例とは
「10万キロ以下の車なら安全に乗れる」という考えで中古車選びをしてしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまいます。よくある実例をもとに解説していきます。
年式が10年落ち、走行距離が5万キロの車を例にします。こういった車は週末しか使われていなかったか、長い間車庫で放置されていた車であることがほとんどです。
走行距離が短く安全だと思われがちですが、内部の消耗品が古くなってしまっていて、すぐに故障してしまう失敗物件である可能性が非常に高いです。
上の例とは逆に年式が2年落ち、走行距離が5万キロの車はどうでしょうか。
一見、年式も新しく、走行距離も短めなので優良中古車に見えがちです。
年式が2年落ちなので本来であれば、1,6000~2万キロの走行距離がベストな走行距離です。
適正距離以上に走行距離を重ねているので長距離運転やハードな使われ方をしたことが想像できます。
消耗品だけでなく、替えの利かない車体の重要な部分にまで大きな負荷がかかってしまっている危険性もあり、選ぶべきではありません。
走行距離と年式は、中古車の状態を見る重要な指標になります。
走行距離が年式に応じた適正距離であることをしっかりと確認しましょう。
10万キロを超えた中古車は修理内容を確認
さきほど10万キロを超えた車でも安全性に問題がないことをお伝えしましたが、10万キロを目処にメンテナンスされるべき部品があります。
確認する部品は以下の3つです。
- タイミングベルト
- プッシュ類
- エンジンオイル
10万キロを超えている中古車を選ぶ場合は、メンテナンス内容を確認しましょう。
確認を怠ると、自身で修理費用を払うはめになり、思わぬ出費につながってしまいます。
タイミングベルト
タイミングベルトはエンジンを動かすにあたって重要な部品であり、交換時期は走行距離が10万キロ程度とされています。
タイミングベルトが古くなっているとエンジンのかかりが悪くなり、車が動かなくなったり、不完全燃焼を起こしてしまったりと危険を伴うようになります。
交換費用はおよそ3万円程度と安くありませんので、すでに交換しているか・納車前整備で交換されるかを確認しましょう。
プッシュ類(緩衝剤)
プッシュ類はサスペンションなどのゴム製の緩衝材のことを指します。
車の衝撃吸収や異音軽減など乗り心地や車へのダメージを軽減してくれます。
こちらも10万キロ程度が交換の目安とされているため、エンジンベルト同様交換済みか、交換してから引き渡してもらえるか確認をしてきましょう。
エンジンオイル
エンジンオイルは3か月に1回が目安とされています。
中古車が適切に乗られていたのであれば、かならず3か月に1回エンジンオイルの交換がされているはずです。
エンジンはエンジンオイルさえ適切に交換されていれば簡単には壊れないように設計されているため、交換時期をしっかりと守られていたのであればエンジンの劣化はまず問題ありません。
エンジンオイルの交換が不定期・全くされていなかったのであればエンジンの消耗がかなり激しいものとなっている可能性が高いです。
注意して確認しましょう。
法人登録車・郊外利用者は安全
走行距離が10万キロ以上の車は価格がガクッと落ち、安上がりにできますがメンテナンス内容の確認必須など問題点が多そうに見えます。
しかし、10万キロ以上走行していても安全に乗れる中古車が2つあります。
- 法人登録車
- 郊外利用車
店頭展示車やレンタカー、試乗車として法人登録された車は定期的に適切なメンテナンスを行います。
乗せるのは常にお客様であり、不備があってはいけません。
その関係で一般家庭よりもより丁寧に点検がなされています。
法人登録車であればすべて問題ないのかというとそうではありません。
商用車として使用されていたミニバンやワゴンには注意が必要です。
商用のミニバンやワゴンは常に多数の人を乗せ、荷物の運搬などで長距離・超重量で車体への負荷が大きくなってしまっています。
郊外利用車は郊外の性質上、信号が少なく、直線的な道路をよく走ることになりますので、停止・発進が少なくなる傾向にあります。
長距離を走行していたとしても、一定の速度でほぼ止まることなく走り続けていた場合、車体への負担はかなり低いものとなります。
定期的に丁寧に扱われた法人登録車と、郊外利用車は上記からたとえ10キロ以上の走行車でも安全といえます。
中古車に求めるニーズで選ぶ走行距離も変わる
中古車を選ぶ際の決め手は人によってさまざまです。
外装や内装を新しい状態であるものを重視する人や、できるだけ価格を抑えたい人などニーズは多岐にわたります。
それぞれのニーズごとに選ぶべき走行距離帯が存在し、適切な走行距離帯を把握することで無駄なく自分のニーズに沿った中古車を選ぶことができます。
外装・内装重視なら走行距離2~3万キロ
2~3万キロの中古車であれば年式も古くなく、かつ丁寧に乗られていた可能性が高いです。
新車とまではいきませんがほとんど傷や汚れがない良い状態の中古車が多いです。
新車との価格比較がおよそ70%とそこまで値下がりは期待できませんが、できるだけ新車に近い状態の車が欲しい方は2~3万キロの中古車を探してみましょう。
価格を抑えたいなら走行距離5~10万キロ
走行距離が5万キロを超えてくると新車と比べた価格はおよそ50%と半額に近い金額で購入することができます。
中古車を選ぶのであれば低価格は譲れない方におすすめです。
走行距離が10万キロに差し掛かってくると新車と価格を比べた時、30%付近とかなりのローコストにすることができますが、同時にメンテナンス内容をしっかり把握しておく必要があります。
最近の車は長く走れるようになったとはいえ、10万キロは車にとって節目に当たりますので、しっかり手入れがされているか確認をしましょう。
さらに価格を抑えたい場合は走行距離15万キロ未満
走行距離10万キロ未満の中古車の場合、新車と比べて30%付近が相場となっています。
この相場よりさらに価格を抑えたい場合は、10キロ以上15万キロ未満の走行距離の中古車を選びましょう。
価格も新車と比べて20%とかなりの低価格になりますが、長く乗ることは難しいでしょう。
どれだけ長く乗っても3年以内をおすすめします。
それ以上長く乗ることを考えた場合、メンテナンス費用で出費がかさみ、結果的に高くなってしまう場合はほとんどです。
15万キロ未満の中古車を購入する場合は、乗り捨てる気持ちで購入するようにしましょう。
中古車選びで失敗しないために修復歴車は絶対に選ばない!
中古車が新車と大きく違う点、それは以前誰かに使われていた、という点です。
当たり前の話ですが、前のオーナーがどのような使い方をしたかまでは詳細に知ることはできません。
中古車選びで絶対につかんではいけないものが以下のような故障車・修復歴です。
- 修復歴車(事故車)
- 故障者
- 水没者
- 塩害車
- 雹害車
- 雪害車
修理や故障であれば、販売店に問い合わせれば修復歴を確認することができますが水没などの自然災害による故障は修復歴に記載する必要がないため、わからないことがあります。
自然災害などの故障車は電装系に異常をきたしてしまうことが多いため、修理に費用がかかってしまい、結果的に価格が高くなってしまいかねません。
粗悪な中古車を選ばないためにも、修復歴車かどうか確認する術を身につけましょう。
販売店に修復歴を確認する
修理や故障をしてしまった車は修復歴にかならず記載をしますので、販売店に修復歴を確認させてもらいましょう。
修理や故障は場合によっては車の骨格に大きな影響を与えてしまいます。
消耗品であれば交換すれば問題ありませんが、骨格へのダメージは直すことができないものがほとんどです。
ダメージの大きさによっては廃車にせざるを得ない場合もありますので、かならず修復歴は確認しましょう。
車内のにおいや電装系をチェックする
自然災害による故障は修復歴に記載はしなくてもよいので、修復歴を見ただけでは判断ができません。ですが車内のにおいや電装系へのダメージは隠すことができません。
車内のにおいを確認し雑巾のようなにおいがしないかどうか、シートベルトを限界まで引き出した際にシミのようなラインがないか確認しましょう。
さらにエアコンやカーナビなど電気が通っている箇所すべてを動かしてみます。
少しでも動きがおかしい点が見受けられた場合は、水害車等であることを疑いましょう。
水害や雪害は電装系に大きなダメージを与えます。接触が悪くなったり、最悪使いものにならなくなっている場合もありますので、かならず確認をしましょう。
不安にならなくても大丈夫!データ改ざんは撲滅されている
自然災害による修復歴はのせなくてもよい、という情報を聞くとつい不安になってしまいがちです。誤って粗悪な中古車をつかまされないかと慎重になる方がほとんどです。
中古車業界は、かつては走行距離メーターの改ざんなどデータの改ざんが行われていた過去がありますが、現在ではデータの改ざんを完全に撲滅されています。
- 車検証へ過去2回までの車検時の走行距離の明記が義務付けられた
- オークション会場が走行距離記録を保管するようになった
以上の変更点からデータの改ざんはやろうと思ってもできなくなっています。
データ改ざんの悪いイメージを払しょくするために車業界全体が動いた結果です。
修復歴に関してはいまだ完全ではないため、購入者がある程度確認をする必要性がありますが、知識があれば対策ができるものばかりです。
修復歴車・故障車の正しい知識を身につけてましょう。
まとめ
中古車を選ぶのであれば、まず重要になってくるのが走行距離と年式の組み合わせです。
年式に応じた走行距離を走っている中古車を選ぶことが安全な中古車選びの第一歩です。
走行距離は安全な中古車を選ぶ指標になるだけでなく、どういった中古車が欲しいのか、というニーズに合わせてチェックする必要があります。
できるだけ新しい中古車を選びたいのであれば走行距離が短い中古車を、価格をできるだけ抑えたいのであれば走行距離が長い中古車を選ぶ必要性があります。
走行距離・年式以上に中古車の安全性を左右するのは修理内容と修復歴です。走行距離10万キロを超える中古車は修理内容をかならず確認するようにしましょう。
修復歴は、すべての中古車において確認をする必要性がありますので、適切な知識を身につけて販売店に確認を取るようにしましょう。
中古車でお得に車を手に入れて、長く安全に走れる車を手にいれましょう。
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